国内外の産業用ロボットと言えば、「ファナック、安川電機、ABB、KUKA」4メーカーが代表的なものだが、SONYの愛玩犬を模したロボット「AIBO」や、SoftBankの「pepper」、最近では「RoBoHoN・ネモフ・らぼっと」のようなエンタテインメントロボットが人気を博しており、家庭用ロボットブームが到来する気配を感じるレベルまでにもなっている。
価値観の違い
しかし、そういったエンタテインメント性のあるロボットは、日本市場が中心であり海外ではなぜブームにならないのだろうか。
例外もあるが、どうやらロボットはあくまでも機械であり、愛情を注ぐ対象として見るという価値観が日本とは異なっているようだ。
日本には、「道具にも魂が宿る」という考えがあり、長い間使った道具には愛着が湧き、ときには供養する風習がある、自然に生えた木々、植物だけでなく道具や機械などに「声をかける」といった日本の行動は海外では異質なのだろう。
日本における擬人化
日本のアニメや漫画における擬人化も、少々日本と考え方が違うようだ。
日本は擬人化によって、人間をベースとし動物やモノのパーツを移植していくが、アメリカを例に挙げれば動物や、モノをベースとし人間の目や耳などの要素(パーツ)を入れる。
近年ではアニメや漫画の影響で、少しずつ人間をベースにした擬人化も理解されてきているようだ。
ロボットは危険性を持つという考え
「ロボコップ・アイ,ロボット」などの人類とロボットが対立する映画で描写されるように、あくまでロボットは人間に服従しているべき対象だという考えが欧米では一般的だ。
反逆される危険性を持ち人間と対等な立場にあり、いわば人権のようなものは無くそもそも愛情を注ぐ対象としての役割を求めていないということになる。
つまりは、【ロボットは愛でる対象ではない】ということなのだろう。
「aibo」の海外展開
そんな中、昨年9月SONYの「aibo」が初の海外展開として米国へ販売を開始した。
米国の方々からは「可愛い」という反応はあったものの、土地の広い米国では犬を飼う敷居が低いという兼ね合いもあり、ロボット犬の需要がそもそもあるのかと疑問の声があがったようだ。
「そもそも何が出来るの?」と言った反応もあったようだが、いかにも米国らしい考え方だと思う。
SONYは、米国での販売実績などを公開していないが、どれくらい米国に住む方々の心を掴んだのか大変気になるところだ。