農業の高齢化・人手不足をスマートアグリで解決
テクノロジーを通じて農業分野のクリエイティブ・若返り化を目指す株式会社ハタケホットケ(長野県塩尻市 代表:日吉有為)は、農家の重労働と環境負荷を削減するロボット「ミズニゴール」の実証実験の参加及びレンタル提供の先行予約を、4月2日(土)よりCAMPFIREにて受付開始いたしました。全国で小規模農家が最も多く、後継者不足や耕作放棄地といった農業課題を抱える長野県にて実証実験を進め、今後は2023年春のGPS及びソーラー駆動の実装など“全自動化“を見据えて、開発を進めていきます。本事業は、長野県のソーシャルビジネス創業支援事業に採択されています。
農家の人手不足・ジレンマを理由に、進まない減農薬栽培
近年、消費者の健康意識が高まる一方で、自然農・減農薬の普及が進んでいない状況です。その背景には、農家の高齢化や人手不足の深刻化が挙げられます。特に米作りにおいては、負担の大きい水田の除草作業は大きな課題のひとつになっています。生産者側も、自然に近い栽培の形で出来たお米が体に良いと分かっていても、コストや労力等の問題から、“除草剤・農薬を使わない”という選択に踏み切れない現状があります。
重労働を自動化するアイガモロボ「ミズニゴール」で時間を80%節約
「ミズニゴール」は農家の重労働と環境負荷を削減するロボット。除草作業は、人力でチェーンがついた除草器具などを引くことで田んぼの水を濁らせ、稲の栄養を奪ってしまう雑草の光合成を遮る方法が一般的です。炎天下に広大な水田の照り返しの中、田植え後の1~2カ月の間、約7日~10日おきに継続する必要がある重労働です。アイガモ農法やトラクター型の除草機もありますが、餌代やマシン代のコスト負担が大きく、導入できる農家は限られています。
通常、1反(1000平米)を人力で濁らせるのに、少なくとも2時間程かかりますが、「ミズニゴール」は、アイガモのように水田をラジコン操作で走り回り、1反あたり6分の1にあたる20分前後で完了できる設計です。常に水を攪拌することで除草剤が不要になるだけでなく、酸素がいき渡り稲の根からも良く吸収され品質向上が期待されます。
製品特長
●優れた防水性・耐久性
グラスファイバー成形の本体により耐水性が高く、不安定な水田でも操作しやすいです。
●壊れにくいシンプルな構造
本体の機構・構造をシンプル化することで壊れにくく扱いやすいデザインとしました。
●軽量化で持ち運びにも対応
一般的な農機具は頑丈で壊れにくい反面、重量があり女性やお年寄りには取り扱いが大変なものが多くあります。ミズニゴールの重量は約 7kgで、一人でも持ち運びが容易です。
小規模農家への提供を見据えて開発・実証実験参加を受付開始
~2023年春、GPS・ソーラー駆動搭載による全自動化へ~
農家数が10万戸以上*と全国で最も多い長野県。小規模零細農家が多く全国平均よりも高齢化が進ん
でおり、後継者問題や耕作放棄地も増えています。また山間部が多い地形的理由からも、大規模集約化によるコスト削減が難しい状況です。今回の実証実験への参加及びレンタル提供募集を開始するのは、第1段階の「ミズニゴール1.0」。ラジコン型バッテリー駆動で誰でも簡単に操作できます。2023年春にはさらに改良版のGPS型(全地球測位システム型)ソーラー駆動の全自動型ミズニゴールのリリースを計画しています。
除草ロボットは大手企業でも開発が進んでいるものの、数十万円~百万円以上するなど、小規模農家が季節利用に限られる設備投資として導入するにはハードルが高い状況です。ミズニゴール1.0の実証実験ではレンタル提供( 10万円/1シーズン)し、来春の正式リリースでは、実証実験の検証や農家様のニーズに合わせて、販売・レンタルなどの選択肢を視野に展開してまいります。ミズニゴールの開発事業は、長野県のソーシャルビジネス創業支援事業に採択されています。(参考)農林水産省「農林業センサス(H27)」
開発・創業エピソード~零細農家が多い長野県への移住を機に、農業の課題を知る~
“子どもが生まれたことやパンデミックを機に移住した際に、農業を体験しました。生まれて初めて米づくりを体験したり、農家の方々と接する中で、農業の厳しさを垣間見ました。例えば、広い農地で品質を安定化させ、病気を発生させないために、農薬をたくさん使わなければいけない現実。農薬やフードロスの問題が注目される昨今ですが、そう簡単に解決できるものではないことがよく分かりました。個人レベルではどうにもできない産業構造、年々厳しくなる気候変動を前に、「自分の子どもには継がせたくない」と言う農家さんもいらっしゃいました。”
“薬ではない方法で負担をなくし、農業をもっと楽しく”
“これから新規就農したいという若者が減っているのもうなずけました。長野県は、全国で初めて県職員の農業の副業を認めるほど、人材が不足しています。「薬ではない方法で、農業の負担をなくしたい。ローン漬けになっている農家さんを助けたい。」AIとロボティクスと自動化を活用すれば、労力と経営の負担を減らし、農業をもっと楽しくして携わる人を増やせます。その後「機械を販売するのではなく、レンタル・サブスクの仕組みを自分で作ろう。」と思うように。移住先で米づくりを一緒に体験した発明家の友人に製品の開発を依頼し、一緒に創業を決意しました。”
代表プロフィ―ル
日吉 有為/代表取締役
20代はバンド活動に専念するもメジャーデビューし損ね挫折。以後20年六本木で3DCG制作会社を経営。コロナをきっかけに2020年5月に東京を離れ長野県塩尻市に移住し、人生で初めて農業体験をしたことから、農業の地域課題を身近に感じるようになり、ずっと東京で感じていた『違和感』を大自然の中で見つめ、起業と新しい生き方を実践することを決意。
ミズニゴール概要
◆製品概要、仕様
・製品名:ミズニゴール1.0
・仕様:防水性・耐久性、ラジコン型バッテリー駆動
・サイズ:W(幅)83cm ×H(高さ)40cm ×D(奥行)110cm
・重さ:7.3kg
・実証実験参加及び先行レンタル費用:
¥100,000/1シーズン(2022年5月~7月想定)
・提供対象:5社限定(長野県内の農家様)
・プロジェクト詳細及び受付:https://camp-fire.jp/projects/view/552639 (CAMPFIRE内 )
・受付期間:2022年4月2日(土) ~ 5月10日(火) 23 :59
会社概要
・会社名:株式会社ハタケホットケ
・設立:2021年10月25日
・代表取締役:日吉 有為
・所在地:長野県塩尻市大門八番町1番28号スナバ
・事業内容:スマートアグリ製品の開発・製造・販売
・公式サイト:https://hhtk.jp/