京大との共同開発により早期の事業化ステージを目指す
JOHNAN株式会社(本社:京都府宇治市、代表取締役社長兼CEO:山本光世)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」の研究提案募集に応募し、採択されました。今後、京都大学松野研究室とJAXAとの共同研究による1年間のフィージビリティスタディ(以下、FS)を通じて、事業化ステージを目指します。
このたび、当社がJAXA宇宙探査イノベーションハブの第4回研究提案募集(RFP)に応募したテーマは、「分散協調型ロボットによる製造工場等の物品供給システムの開発研究」で、57件の応募研究提案の中から選ばれた課題解決型8件のうちの1つとなりました。
本研究開発提案は、通常時は生産工場の部品自動供給を行い、災害時はレスキュー及びローカル災害情報を提供できる分散協調ロボットシステムの統合化および構築を目指したものになります。
具体的には、宇宙探査イノベーションハブがこれまで得た協調アルゴリズムや小型ロボットなどの要素技術を活用し、システム構築に必要な群ロボット制御や、ロボット間の衝突回避、ロボットの走行経路探査などの要素技術を開発し、評価を行っていきます。
また、地上事業化に向けて、性能とコストが両立できる部品運搬、及び災害検知等の技術を開発し、既存の通信、ドローン、レスキュー探知などの技術を融合し、将来実用化の目処を立てることを目指していきます。
■太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブについて
「科学技術イノベーション総合戦略2014」(平成26年6月24日閣議決定)の中で、公的研究機関の「強み」や地域の特性を生かして、イノベーションハブの形成に取り組むことが求められたことを受け、JAXAでは平成27年4月1日に「宇宙探査イノベーションハブ」を新たに設置。同年、科学技術振興機構(JST)の事業であるイノベーションハブ構築支援事業に本オープンイノベーションハブが採択されました。
本イノベーションハブでは、様々な異分野の人材・知識を集めた組織を構築し、月・火星など重力天体での探査について、地上・宇宙における技術を融合させ、産業界や大学とともに革新的な宇宙探査技術の開発及び宇宙・地上双方への成果の応用を目指しています。
● JSTイノベーションハブ構築支援事業 http://www.jst.go.jp/ihub/index.html
● 宇宙探査イノベーションハブ http://www.ihub-tansa.jaxa.jp/
宇宙探査イノベーションハブのロゴマーク
■提案代表者略歴
JOHNAN株式会社 JOHNANイノベーションラボ(JIL)事業推進部長 中原林人
東京大学大学院航空学専攻博士課程修了後、1991年に科学技術庁 航空宇宙技術研究所(現JAXA)に入所、航空機エンジンの燃焼研究に従事。
1994年に大手メーカーにて技術開発、商品開発、新規事業の事業化企画等に取り組む。2008年、大学発ベンチャーのナノフォトン(理科機器開発・製造・販売)のトップに招聘され、代表取締役社長に就任。
2015年に三次元メディア(産業用ロボット用3次元ビジョンセンサー開発・製造・販売)の経営に携わり、取締役執行役副社長に就任。2017年にJOHNANへ入社し、現在に至る。
JOHNAN株式会社 https://www.johnan.com/
■共同研究機関
京都大学工学研究科 機械理工学専攻メカトロニクス研究室 松野文俊教授
2009年より現職。主にロボティクス・制御工学・レスキュー学に関する研究に従事。IEEE、計測自動制御学会(Fellow)、日本ロボット学会(Fellow)、システム制御情報学会、日本機械学会(Fellow)などの会員。
2005年より国際レスキューシステム研究機構副会長、2018年5月よりシステム制御情報学会の会長に就任。工学博士。
また弊社と当研究室とは2018年5月10日より産業用ロボティクス技術に関する共同研究を開始している。
京都大学 松野研究室 http://www.mechatronics.me.kyoto-u.ac.jp/