社会実装が進む産業用ドローンのサイバーセキュリティ対策においては、悪意ある第三者による攻撃などのセキュリティ対策を行い、企業や組織は関連する法令の遵守、事故や事件発生時のブランドイメージへの影響、機密データの漏えいによる悪用などのリスクへの対応が重要です。ドローンの安心安全な利活用を確立するための指標となるのがドローンセキュリティガイドです。

【ニュースリリース】

​報道関係各位

セキュアドローン協議会、『ドローンセキュリティガイド 第2版』公開
~ 産業用ドローンの本格的な社会実装におけるサイバーセキュリティ対策 ~

2021年5月20日

一般社団法人セキュアドローン協議会

一般社団法人セキュアドローン協議会(東京都港区、会長:春原 久徳)は、「ドローンセキュリティガイド 第2版」(以下、本セキュリティガイド)を2021年5月20日より公開しました。

【本セキュリティガイド策定の背景】
2017年頃より、点検や測量といった分野で実証実験を経て、徐々に社会実装が進みつつある産業用ドローンは、政府がこれまでドローンの利活用を推進してきており、人口密集地区での目視外飛行(Level4)の実現や、ドローンの利活用推進に向けたガイドライン策定への取組」*1 といった政府のガイドライン(インフラ点検、プラント点検、警備、パブリックセーフティ、災害時など)が整備されてきており、本格的な社会実装が間近となってきています。

サイバーセキュリティ対策においては、内閣府サイバーセキュリティ戦略本部が「サイバーセキュリティ2020」*2 を公開しており、日本全体のサイバーセキュリティ戦略が提示されています。
このなかでは、IoTや自動運転自動車システムなどのセキュリティが検討されており、これらと同様にドローンソリューションのセキュリティも検討する必要があり、将来的には飛行するドローンだけではなく、陸上、水上、水中などのドローンの自律機体制御や機体管理といった移動体特有のセキュリティリスクがあり、今後はこれらに対しても定義付けしセキュリティ対策を講じていくことが必要です。

産業用ドローンの本格的な社会実装を迎えるにあたり、現状のドローンにおいてサイバーセキュリティ対策が実装されていない状況ではさまざまな混乱を引き起こす可能性があり、利活用の推進がストップしてしまう懸念があります。ドローンのセキュリティ対策は、ドローンの利活用推進に対しては前向きなものであり、セキュリティ対策が進めば利活用が進んでいくことになります。これまでは、実証実験などを通じてドローンの利活用といった視点が大きくセキュリティ対策は考慮されていませんでしたが、社会実装が進むにつれ、悪意ある第三者による攻撃などのセキュリティ対策を行い、企業や組織は関連する法令の遵守、事故や事件発生時のブランドイメージへの影響、機密データの漏えいによる悪用などのリスクへの対応が必要となります。

このような状況を踏まえて、セキュアドローン協議会は、会員企業各社の先端ドローン技術、セキュリティ技術、IoT関連技術といったICT関連技術や経験、知見を生かし、ドローンの安心・安全な操作環境を確立するための指標となる本セキュリティガイドを策定しました。

*1: https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai14/siryou8.pdf
*2: https://www.nisc.go.jp/active/kihon/pdf/cs2020.pdf

【本セキュリティガイドの概要】

  • 本セキュリティガイドの策定を通して、信頼できるドローンの安心安全な操作環境とデータ送信環境を確立していくための指標を提言しています。
  • 産業用ドローンが普及していくためには、情報処理においてこれまで配慮されてきた情報セキュリティ対策や、最新のIoT関連のセキュリティ技術との連携が重要になり、ドローンにおけるセキュリティリスク、機体制御、機体管理、ドローン機器、通信、アプリケーションやクラウドなどドローンソリューション全体におけるセキュリティ、ドローン機体メーカー、ドローンサービス提供事業者、ドローン活用ユーザそれぞれのとるべきセキュリティ対策要件など産業利用における指標を記述しています。

【本セキュリティガイドの主な改定内容】

  • ドローンにおけるセキュリティ対策の要件
    ドローン機体メーカー、ドローンサービス提供事業者、ドローン活用ユーザそれぞれのとるべきセキュリティ対策要件について解説
  • ドローンのリスク管理
    法令順守、トラブル発生時のフェイルセーフ、管理者・操縦者/機体の認証やデータ保護など要件について解説
  • ドローンのリスクの侵入モデルと被害
    ドローンのリスクにおいて、攻撃主体、侵入口、攻撃対象、それに伴う直接被害について解説
  • ドローンのセキュリティ対策
    セキュリティ対策として、セキュリティソリューション全体計画、フェイルセーフ、運用管理・多重監視の要件について解説
  • 悪意あるドローンに対する対策
    アンチドローンやカウンタードローン(不正ドローンに対して妨害を行うシステムのこと)といった不正ドローンへの対策の要件について解説

【本セキュリティガイドの特徴】

  • ドローンのセキュリティ対策要件の解説
  • ドローンのセキュリティリスクの特性について解説
  • ドローンを安全に飛行させるための機体や操縦者、管理者などの認証について解説
  • ドローンで取り扱うデータに関するセキュリティ対策について解説
  • ドローンを業務で取り扱う上での各種の注意点について解説

『ドローンセキュリティガイド(第2版)』
https://www.secure-drone.org/drone-security-guide/

【Japan Drone 2021 出展】
セキュアドローン協議会は、Japan Drone 2021に協賛ならびに出展いたします。展示ブースでは、ドローンセキュリティガイドの解説や当協議会の取り組み、ドローンの安心安全でセキュアな利活用に関する内容や会員企業各社のサービスについてご紹介します。
また、展示会場内の出展社ワークショップでは「目視外飛行の実用化における、とるべきセキュリティ対策とは」をテーマに講演いたします。

[出展者ワークショップ]
■日時:2021年6月14日(月)11:10~11:30(WS-2)
■場所:幕張メッセ ホール8 展示会場内
https://ssl.japan-drone.com/index.html

以上

【一般社団法人セキュアドローン協議会について】
2015年6月 に任意団体として、2016年4月に法人化されたセキュアドローン協議会は、IT企業が中心となり、ドローン(無人航空機)の安心安全な操作環境とセキュアな業務活用に向け設立されました。参加各社が持つ、先端ドローン技術、セキュリティ技術、IoT クラウド/ 組込ソフトウェア関連技術、エネルギー管理システムといったICT 関連技術の知見と経験を活かし、ドローンの安心安全な操作環境およびデータ送信環境を確立し活用することを目的として、様々な活動を行っています。

【本リリースに関するお問い合わせ】
セキュアドローン協議会 事務局 田上
E-mail: info@secure-drone.org