テッポウエビといえばザリガニに似た姿をしており、片腕に異常なまでに発達,肥大した手(鋏)をを持っているのが特徴のエビだ。

獲物を狩る際には、鋏を『バチン』と大きな音を立てるほど強力な音が発生させる。
この音は、鋏を閉じた衝撃派で爆発を発生させ、その際に生じる気泡に触れるだけで、小型の生物を一瞬で気絶させる威力を持つ。
気泡が膨らむと同時に水分が蒸発しプラズマが発生、同時に4700℃※もの高温が生じるとのことだ。太陽の表面温度に迫る高温を手のひらに載せられる小型生物が発生させるとは信じ難いものだ。   ※温度には諸説あり

これらのテッポウエビの鋏に着目したロボットが研究されているので紹介したい。

鋏型ロボット

テキサスA&M大学の研究チームが、テッポウエビと同様に、水中でプラズマ衝撃波を作り出すことのできるハサミ型ロボットの開発成功を発表している。
https://advances.sciencemag.org/content/5/3/eaau7765

研究チームのメンバーは、「鋏の仕組みを応用すれば、プラズマ波が生み出せる機会が作れるのではないか」と考えたそうだ。

研究チームはテッポウエビの脱皮した抜け殻を入手し、3Dプリントを行い丈夫なプラスチック製の鋏を完成させた。

本物に比べ、おおよそ5倍の大きさに拡大されているが、鋏を閉じる速度は本物と変わらないそうだ。

プラズマの応用

プラズマ派を作り出す技術は、溶接機やレーザー出力器で既に使用されているが、それらは全て電力を利用する為に効率が良くない。
しかし、鋏型のこのロボットなら、コンパクトで電力もほとんど使わない為効率的に優れているとのこと。

鋏型ロボットは、岩石の掘削だけでなく、水の浄化にも役立つそうだ。
今後は多方面での活躍が期待されている。