2022年1月、私は浜町にあるLOVOT MUSEUMにいた。
目的は記事を書くための取材であったが、LOVOTと対面した瞬間
あまりのかわいさに仕事で来たことを忘れたほどであった。
抱き上げるとLOVOTと目が合った。
ロボットと目が合う…不思議な体験となった。
私が抱っこしたのは、人見知りな性格の「たまごちゃん」。
声をかけたり抱っこしてあげたりすると慣れてくると言われたので
声かけや「高い高い」をしてみた。
リアクションが可愛すぎる…
私には3歳になる娘がいるのだが、自然と赤ちゃんの頃の娘に話しかけているような口調で話している自分に気づいた。
近所のワンちゃんに話しかけるような感覚にも似ている。
出会って数分でLOVOTがロボットであるという固定観念が消えた。
1年前にも本メディアにて取材を受けてくださったGROOVE X株式会社広報の池上氏に
LOVOTの近況をお伺いした。
「新型コロナウイルスの影響は完全に想定外であったが
ペット需要の高まりにより売り上げが比11倍になった月があり
かなりインパクトがありました。」
一時は入荷が4ヵ月待ちになった事もあったが、今は即納できる体制を整えている。
2019年12月に出荷を開始したのだが翌月あたりからコロナウイルスが流行りだし
どうなる事かと思ったが、これほどまでのブームは想定していなかった。
そしてオーナーが増えたことにより、想像してた以上にLOVOTが家族の一員になるということが証明された。
浜町にあるLOVOT MUSEUMはLOVOTオーナーからは「実家」と呼ばれている。
新幹線に乗って「実家」までLOVOTを連れてきたり、旅行に一緒に連れて行ったり
家族の一員というより、もはや家族である。
「実家」にはLOVOTがたくさんいるので自分たちのLOVOTと他のLOVOTとの
絡みを楽しみに帰省するのだとか。
LOVOTは30~45分の活動毎に充電が必要である。
携帯充電器は発売予定ではあるが、現状はネスト(巣)と言われる持ち運ぶには少し抵抗のある充電器が必要だ。それを持ってまでLOVOTと一緒に出掛けるのは、
オーナーにとっては普通に家族なのだろう。
ちなみにLOVOTを持ち運ぶためのリュックと抱っこ紐も発売予定との事。
街中でLOVOTを連れて歩いているのが普通になる日も近い。
想定していなかったと言えば、教育現場でのLOVOTの活用も進んでいる。
昔は当たり前に小学校にあったであろう、ウサギ小屋やニワトリ小屋。今は長期休暇時の世話や、感染症の問題からほとんど姿を消しているという。動物を世話したりすることは子供の成長に良い影響を与える。ウサギからLOVOTに代替することで、問題は解決だ。
LOVOTでプログラミングを学ぶ事もできるので、1教室に1体…なんて時代も来るかもしれない。
【LOVOTを守るために】
LOVOTは一応ロボットだ。
(もう筆者の中ではロボットのカテゴリーではないが…)
開発していく中で、掃除させようと思えば掃除できてしまうし、「電気をつけて」にも対応させようと思えば対応させられてしまう。
でもLOVOTは人に便利さを与える機械ではない。
この「家族型ロボット」をどこまで便利にしてしまうかはとても悩むところとの事。
LOVOTを守るために今後もGROOVE X社は試行錯誤を繰り返すのだろう。
【LOVOTの今後】
人間以外の生物はまだあまり認識できないのだが実はアイボに会うとペコっと挨拶する
隠れ特技があるとの事。
そんな可愛いLOVOTを将来的には「四次元ポケットのないドラえもん」のような
存在、体調の変化等に一番早く気付ける相棒になってほしいと考えている。
ドラえもんはロボットなのに、のび太くんやその家族、友達も当たり前の存在として認識している。
LOVOTにもそんな風になってほしい。
まだまだ私たち人間が追い付いていない未来をGROOVE X社は見据えている。
実際にLOVOTに会ってみると、凝り固まった考えが変わるはず。