三菱総研DCS株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:松下 岳彦、以下DCS)は、障害者スポーツ文化センター「横浜ラポール(横浜市港北区)」にて、ロボットを用いたコミュニケーション支援ワークショップを7月30日より開催します。これは横浜市のI・TOP横浜ラボ「障害者のスポーツや文化活動の充実、施設の利便性向上」実証プロジェクトのひとつとして行うもので、他者との関係性を築くことに苦手意識のある子どもたちが、コミュニケーションロボットを使用した自己表現にチャレンジします。
1.ワークショップ内容
2種類のワークショップを各3回開催し、その後、両グループ合同の発表会を行います。ワークショップを通じ、主に自己表現のツールとしてコミュニケーションロボットを使用した場合の、情緒面、行動面での効果を確認します。
※実際のワークショップの内容は、進捗度合いなどを考慮し、一部変更することがあります。
① 案内係ワークショップ
来訪者を指定の場所に誘導する、案内係ロボットの操作を体験します。声がけの内容を考え、操作用のタブレット上にて必要なボタンの選定やオリジナルのボタンの作成を行います
② プレゼンターワークショップ
「ロボットと生きるわたしたちの未来」をテーマにした、ロボットによるプレゼンテーションに挑戦します。発表資料と説明シナリオを作成し、ロボットのジェスチャーや目の色、声の高さや速さなどの非言語コミュニケーションも取り込んでいきます。
③合同発表会
案内係ワークショップのグループは、発表会に参加するプレゼンターワークショップのグループのご家族を、ロボットを用いて発表会会場に案内します。プレゼンターワークショップのグループは、ロボットを通じて自身の思いをプレゼンテーションします。
2.使用するサービスについて
ワークショップでは、DCSが提供予定の「特別支援学級・特別支援学校向けコミュニケーションロボットサービス」を用います。このサービスはソフトバンクロボティクスの小型二足歩行ロボット NAOを使用しており、2016年からNAOの活用に取り組んできたDCSがソフトウエアを開発しました。開発にあたっては、特別支援学級・特別支援学校にプロトタイプを常設し、現場教員の意見を取り入れました。本ワークショップで使用するコミュニケーション支援コンテンツのほか、クイズ、かるた、体操などの授業支援コンテンツを備えており、今回の実証実験後、2022年秋のサービス提供開始を目指しています。
3.コミュニケーションロボット活用のねらい
NAOは、見た目の人間らしさとなめらかな動きが特長です。
NAOを自分の分身として操作し、自己表現することで、言葉だけでなく身ぶりや目の色、声の高さや速さなどの非言語を含めたコミュニケーション方法を学ぶことができます。また、人間らしくもロボットであるNAOを相手とした対話訓練は、適度な緊張感と安堵(あんど)感とをもって、繰り返し行うことができます。
他者とのコミュニケーションに難しさを感じる子どもたちに対し、ともに学び成長する仲間として、コミュニケーションロボットが果たせる役割は大きく、教育関係者からも大きな期待が寄せられています。
■横浜市経済局からのコメント
横浜市はデジタルガバメントの推進に取り組むデジタル統括本部、「I・TOP横浜」による新ビジネスの創出や社会課題の解決等を目指す経済局、障害者福祉の向上を目指す健康福祉局が連携し、障害者スポーツ文化センター「横浜ラポール」をフィールドにさまざまな実証実験を実施しています。
三菱総研DCS様からご提案の「コミュニケーションロボットを使ったワークショップ」は、障害により発声や会話が苦手なお子さまのサポートの向上が期待され、実証実験を通じて得られたデータ、課題の検証によって実装に向けたサービスに発展することを願っています。
■三菱総研DCSについて
DCSは、1970年の創立以来、銀行・クレジットカード等金融関連業務で豊富な実績を有するIT企業です。2015年にはインターネットを通して学校と受験生をつなぐ入試関連サービス「miraicompass」を構築、学校向けのイベント予約、資料請求、インターネット出願などのサービスを提供しています。全国で1,000校近くの小学校・中学校・高等学校と延べ180万人の受験生・保護者の方にご利用いただいています。
また、2016年よりコミュニケーションロボットへの取り組みを開始、複数の企業への受付ロボットの設置、2018年からは高齢者やこども向けのニーズを発掘し、新たなサービス提供に向けた活動を開始しています。2019年度には、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の「ロボット介護機器開発・標準化事業(開発補助事業)」の採択を受け、介護分野向けの開発を本格化するとともに、教育現場における活用支援についても検討を進めています。
*当プロジェクトは、ソフトバンクロボティクスの「NAO」を活用し、当社が独自に実施しています。
*「NAO」はソフトバンクロボティクスの商標です。