産業用ロボットと言えば、工場内での溶接、組み立て、精密基盤へのハンダ付けなどの作業を人間に変わって行ってくれる機械装置のことだ。
ロボット開発が世界中で進められる中、身近な存在になりつつあるロボットの定義と、今回は「産業用ロボット」の種類を紹介したい。
ロボットとは?
「ロボット」というワードから連想されるものといえば、アニメに登場するようなものや、ソフトバンク社の人形ロボット「Pepper」、産業の場で活躍しているロボットアームなどが想像できるかと思います。 しかし、明確なロボットの基準とは、一体何でしょうか。
●センサー = 五感
●知能・制御系 = 脳
●駆動系 = 手足
産業用ロボットの種類
産業用ロボットは、主に4種類に分類される、代表的なものは「垂直多関節ロボット」だが、他にも「パラレルリンクロボット」「スカラ(水平多関節)ロボット」「直交ロボット」がある。
垂直多関節ロボット
人間の腕のように複数の関節を備えており、自由度の高い複雑な動きが再現出来るようになっている。
溶接や塗装の用途を大きく占めているが、ロボットの先端を作業に合わせて交換することで、汎用性が高いことが特徴だ。
パラレルリンクロボット
パラレルリンクロボットは、3~4本のアームで先端を支持するロボットだ。
先端に物体を吸着させるユニットが装備し、本体が軽量なことからベルトコンベア上に流れてくるモノを高速でピックアップし、搬送する用途に多く使われている。
スカラ(水平多関節)ロボット
水平広報に2つの回転軸、先端に1つの直線軸を持ったロボットだ。
上からの作業しか出来ないが、先端の上下運動による押し込み動作が可能で、部品を押し込む、抑えることが得意で組み付け作業に多く使われている。
直交ロボット
2~3軸の直交するスライド軸によって構成されているロボットで、複雑な動きは苦手だが、ブレの少ない高精度な作業が得意とされている。汎用性の高く、搬送からバリ取り、接着剤の塗布、掘削など幅広い汎用性と低コストなことから高い生産性を誇る。
産業用ロボットの市場
産業用ロボットによるオートメーション化は海外を始め日本にも波及してきている。
経済産業省と国立開発研究機構のNEDOは、国内のロボット市場規模が2025年には3兆円、2035年には9兆円を超えると予測している。
様々な業種での産業用ロボットの導入が徐々に進む中、どのように活用領域が拡大していくか見届けたいと思う。