HarvestX 株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:市川友貴、以下「HarvestX」)は、ANRI株式会社(代表取締役:佐俣安理、以下「ANRI」)が運営する「ANRI 4号投資事業有限責任組合」、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(代表取締役社長 大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営する「オープンイノベーション推進 1号投資事業有限責任組合」、株式会社ディープコア(代表取締役社長 仁木勝雅、以下「ディープコア」)が運営する「DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合」から、総額1億5,000万円の資金調達を実施しました。

世界で初めてロボットによるイチゴの授粉の実証に成功、プロトタイプ開発を強化

食料問題や農業就業人口の減少、また食の衛生面・安全に対する関心の高まりとともに植物工場の市場に注目が集まっています。
レタスなどの葉物類の植物工場が展開を広げる一方で、イチゴのような果実類の生産のためにはハチやハエを媒介とした虫媒受粉もしくは人の手による授粉が必要で、収量の不安定さ、高コスト、ハチの短いサイクルでの使い捨てが課題となっています。HarvestXはハチに代わるロボットを活用した授粉技術の開発に取り組み、世界で初めてロボットによるイチゴの授粉の実証に成功しました。
現在は社内の研究施設「HarvestX Lab」に植物工場と同等の栽培設備を導入し、植物工場事業会社での授粉ロボットおよびソフトウェアシステムの実証実験に向けたプロトタイプの開発を進めています。

XV-2 動画
https://www.youtube.com/watch?v=DlU6DxsywdY

植物工場事業会社との実証実験に向けた開発の加速

HarvestXはこれまで社内の研究施設「HarvestX Lab」内で実証試験機「XV-1」「XV-2」による授粉の実証実験を行なっており、ハチや人間を超える精度での授粉に成功しています。
今回の増資により、パートナーである植物工場事業会社さまとの実証実験に向けたハードウェア・ソフトウェアの開発、および実際の植物工場での実証実験を通じてオペレーションの検証やさらなる授粉精度の向上を進めます。さらに、その実証実験の結果を踏まえた製品バージョンのベータリリースを計画しています。
また、日本初の取り組みとして徳山工業高等専門学校と提携、高専内に事業所を開設し、授粉・収穫用ロボットの共同研究を行います。徳山高専との提携の詳細については「植物⼯場⽤ロボットを開発するHarvestXが徳⼭⼯業⾼等専⾨学校と提携。⾼専内に事業所を設⽴し共同研究を開始(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000068367.html)」をご覧ください。
これまでの食料生産のあり方が様々な危機にさらされる中、持続可能な農業の実現に寄与すべく、ロボットによるイチゴの完全自動栽培実現に向けて今後も開発を加速して参ります。

人材採用の強化
授粉ロボットの製品化、完全自動栽培の実現に向けて、ロボティクスエンジニアやUnityエンジニアなど、幅広く募集をしております。
https://harvestx.jp/career/

投資家よりコメント

・ANRI 元島勇太 氏
果菜の植物工場化は、国内の果物の安定供給だけでなく、農業をささえSDGsにも資する重要な技術です。自社工場で、実際にロボットで授粉し、収穫された本郷産イチゴはとても美味しく感動しました。前回、試食は任せておけと言いながら、語彙力のない食レポで恐縮ですが、興味のある方はぜひ東大に食べにいらしてください。このイチゴが 1年中安定して、世界中で食べられる日が来るのを楽しみにしています。

・東大IPC 古川圭祐 氏
前回ラウンドに引き続き、出資させて頂くことになりました。事業に対する熱量は引き続き高く、また製品開発や事業開発も進んでおり、モノつくり起業として面白い段階に入ってきました。間違いなくグローバルに勝負できる企業になります!これからも全力でご支援します!

・ディープコア 木村正博 氏
初めて連絡させていただいてから実に1年越しで、市川さん率いるHarvestXに出資させていただけたことを大変うれしく思います。
我々の食生活を支える農業において、持続可能性の面においても環境負荷の低減の面においても、作物生産の植物工場への移行はもはや避けることのできない大きな潮流です。しかし、受粉が必要な作物に関しては植物工場での栽培がいまだに難しいとされています。
HarvestXはその代表格であるイチゴで、受粉から収穫までの栽培の完全自動化を実現しつつあり、不可能を可能にする扉が開かれようとしています。まずはこの技術を確立させ世の中に普及させていく実用化に取り組んでいくとともに、イチゴの完全自動栽培を行う植物工場の展開とそこからの安定供給の実現を大いに期待しています。

HarvestX株式会社について

HarvestX株式会社は植物工場におけるイチゴの完全自動栽培を目指す東京大学発スタートアップです。ロボティクスやAIを専門とするメンバーによって2018年に大学でスタートしたHarvestXは、「植物工場では授粉が必要な果実の生産が難しい」という課題にフォーカスして研究を進め、世界初のロボットによるイチゴの授粉に成功しました。
「未来の世代に、豊かな食を。」をミッションに掲げるHarvestXは、ロボティクスやAI技術を活用し、持続可能な農業の実現のためのソリューションを開発・提供して参ります。

– 会社名 HarvestX 株式会社 (HarvestX Inc.)
– 代表者 市川友貴
– 所在地 東京都文京区本郷7丁目3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ 253
– 事業内容 農業機器の開発・販売
– 設立年月日 2020年8月
– URL https://harvestx.jp
– 採用情報 https://harvestx.jp/career/