食品分野でのロボットの導入によるオートメーション化は、製造分野と比べて進んでいない。
ロボットアームを導入しようものなら、ロボットアームに付着した食品の破片等の洗浄の手間などの衛生的問題が発生するからだ。
衛生的問題という背景もあってか、近年では完全なオートメーション化よりも、人間と協働するロボットの導入が進んだのだが、株式会社デンソーウェーブが、次亜塩素酸などの化学薬品で洗浄可能な「食品用ロボットジャケット」を開発し、2019年7月9日(火)から受注を開始すると発表した。
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000013815.html
「食品用ロボットジャケット」
「食品用ロボットジャケット」は、DENSO製のロボットに装着することで、次亜塩素酸等による洗浄が可能になるジャケットだ。
ジャケット本体の素材は食品衛生法に基づく規格に合格した材質を使用し、専用フランジ部分には、口に入っても健康に害のない「H1グリス」を使用している。脱着も容易で、手軽に低コストの自動化を実現出来るとしている。
食品分野にロボットを導入する懸念点とは
食品分野にロボットを導入する際の懸念事項としては、「H1グリスに対応しているか」「次亜塩素酸に対応しているか」「食品衛生法には対応しているか」などが挙げられるが、H1グリスと呼ばれる万が一食品に混入しても人体に問題がないとされているものを使用し、食品工場で一般的に使われている次亜塩素酸ナトリウムによる消毒・殺菌に対応した。
DENSOの狙いは、食品製造を専門にしたロボットを導入するよりも食品用ジャケットを装着させ、低コストでロボットを食品分野に投入させることだろう。
7月9日(火)より東京ビッグサイトで開催される展示会「FOOMA JAPAN 2019」にて出展される。
食品分野の人手不足
農林水産省は、食品製造業において他産業と比較しても深刻な人手不足だと発表している、欠員率は製造業全体と比べて2倍以上高いとのことだ。
近年、AI技術の発展と共にロボットの出来る作業の幅が大きく広がっている。食品分野では人間の判断力が必要な作業が多く、ロボットの導入は難しいとされてきたが、その通説も崩れ始めているだろう。
サムネイル画像引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000013815.html