介護分野でのテクノロジーの利活用の推進と「持続可能な介護」の実現を目指す

日本の総人口が減少に転じていく中、高齢者の占める割合は急速に増加していくことが想定されており、2065年には65歳以上が38.4%、75歳が25.5%と推計されている。※1
増加の一途をたどる介護需要に対し介護供給の不足は改善の兆しが見えず、2025年には37.7万人の介護人材が不足する※2と言われている。さらに、介護人材自体の高齢化も深刻で、介護労働者全体の平均年齢は、48.8歳となり、ケアマネジャーと訪問介護職の平均年齢は50歳を超えている。※3
このような背景から、ICT・IoT・AIなどのテクノロジーの活用を通じ科学的なエビデンスに裏付けられた介護を実現しながら、生産性を高めていくことが期待されている。しかし、介護業界のテクノロジーの活用は進んでおらず、全産業(大企業/中小企業別のデータ)の中で福祉関連の中小企業が最もICTの利用状況が低く、効果が薄いとされている。※4 介護事業者がテクノロジーを利用しない、介護事業者もケアテック事業者も投資しない、現場に即した開発ができない、という悪循環が生まれている。
このような状況から介護事業者とケアテック事業者間の懸け橋となり、介護現場のデータの利活用の促進、現場に即したテクノロジーの社会実装の推進、そして国の社会保障の仕組みへの提言を行うことで、「持続可能な介護」の実現に貢献することを目的とし、2020年11月11日(介護の日)に「一般社団法人日本ケアテック協会」が設立された。
ケアテックとは、「Care(介護)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語。ここでいう「Care」は在宅や施設における介護実務、マネジメントや運営業務全般など幅広い領域を含み、人工知能(AI)、IoT、ICT、クラウド、ビックデータ解析などの最先端技術、及びそれを応用した製品やサービスを指す。

※1 内閣府 平成30年版高齢社会白書
※2 平成27年 厚生労働省 2025 年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について
※3 2019年『介護労働実態調査』(全国労働組合総連合)
※4 総務省 平成24年情報通信白書

活動方針・事業内容

【活動方針】
(1)現場視点によるケアテック製品やサービスの開発の推進
(2)介護現場がケアテックを利活用しやすい環境や情報整備の推進
(3)ケアテック推進のため、意見交換や提言の実行

【事業内容(予定)】
(1)ケアテック製品・サービスの標準化・開発支援
・優良なケアテック製品やサービスを認証する「ケアテック認証制度(仮称)」の運営
・介護事業者によるフィールドボード(実証の場)とのマッチングを行い、ケアテック事業者に対し実証環境の提供

(2)調査・提言活動
・ケアテックの社会実装に向けた構造調査、及び、ケアテック利活用ノウハウのデータベース化
・上記調査を踏まえ、学会や職能団体への提案、意見交換、対外的な広報活動

(3)啓発事業
・IT活用の優れた介護事業者や介護従事者を表彰する「ケアテックアワード(仮称)」の実施
・介護事業者・ケアテック事業者向け 勉強会・研修・交流イベント
・会員向けレポート発行

協会概要

正式名称: 一般社団法人日本ケアテック協会 (英文表記: Japan CareTech Association)
所在地: 東京都千代田区内幸町1-1-6 NTT日比谷ビル4F(株式会社ウェルモ内)
理事・顧問・監事:後述
サイト:http://caretech.or.jp
問い合わせ先:info@caretech.or.jp (事務局)

設立時会員(内定、五十音順)】
・法人A・B会員(ケアテック事業者)
エヌ・デーソフトウェア株式会社、株式会社aba、株式会社ウェルモ、株式会社グッドツリー、Chatwork株式会社、コニカミノルタQOLソリューションズ株式会社、株式会社まもるーの、パナソニック株式会社

・法人C会員(介護事業者)
株式会社キャピタルメディカ、株式会社クラーチ、社会福祉法人さわらび会、株式会社ケアワーク弥生、社会福祉法人善光会、社会福祉法人藤野園、株式会社ポラリス、株式会社舞浜倶楽部