業務負担軽減のツールの一つとしてチャットボット*1が注目されてきたが、コロナ禍においてその需要はますます高まっている。
日本政府や東京都など各自治体では、新型コロナウィルスの相談窓口としてAIチャットボット*2を導入している。
このような背景から今回ロボットメディアでは、 “チャットボット”という概念が成立する前の2001年からAI会話プラットフォームCAIWA(以下、CAIWA)を手掛ける株式会社イクシーズラボ(以下、イクシーズラボ) 取締役兼研究開発部部長 岡出 亮明氏と事業推進部次長 佐藤 淳一氏にインタビューを行った。
*1 「チャットボット(chatbot)」とは、「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉で、人工知能を活用した「自動会話プログラム」のことである。1966年に開発された「ELIZA(イライザ)」という素朴な自然言語処理プログラムを契機に2016年にFacebookやLINEが発表したチャットボット機能から発展してきた。基本的にFAQのような一問一答型で用いられる。
*2 人工知能を搭載したチャットボット
イクシーズラボの提供するサービス
イクシーズラボは“チャットボット”という概念が成立する前の2001年から会話プラットフォームを展開しており、現在は「CAIWA Service Viii(ヴィー)」というAIチャットボットを提供している。使いやすさと回答の正確さがユーザーから評価され、厚生労働省や株式会社TBSテレビなどの自治体・企業に導入されている。
佐藤氏によれば、CAIWAの開発がスタートしたのは当時の企業の経営層の「これからはこのようなサービスが需要がある!」という先見の明からだったという。
インターフェースがテキストのTextCAIWAから始まり、ユーザーの音声をテキストに変換して回答するVoiceCAIWAを経て、よりわかりやすさに特化した現在の一問一答型のCAIWA Service Viiiが開発された。現在は製薬業界向けのサービスであるCAIWA service for Medical*3やAIチャット検索CAIWA Service CoReDA*4も展開している。
*3 2018年にリリースしたチャットボットを通じて薬の製品名や成分名を検索できるサービス
*4 2019年にリリースした商品データなどをチャットボットを通じて検索できるサービス。CAIWA service for Medicalもこれに対応している。
岡出氏、佐藤氏にインタビュー
左:佐藤氏 右:岡出氏
– CAIWAの特徴を教えてください
佐藤氏「”日本語に強い”ということです。AIに言語を学習させる際は、単語もそうですが文章のパターンなどのデータを学習させます。自然言語処理ではこのようなデータを読み込ませれば読み込ませるほどその言語に対して強くなります。私たちは2001年から会話プラットフォームの研究を行っているので、データ量に関しては他のエンジンよりも利があります。人が書く文章は人によって微妙にニュアンスが違ったりしますが、それらは機械学習だけでなく、人の判断も含めた作業により “これはこういう意味”と設定しているのでユーザーから聞かれた文章を正しく理解できますし、それに対して正答もだせるんです。この“日本語への強さ”が大きな特徴ですね。
すでに多くのデータを学習させているので、いざ企業様に導入となった時も学習するのがすごく楽ですし、そのため管理側が使う画面もシンプルでわかりやすくできており、使いやすさという面でも好評いただいています」
–今までどのような用途に導入されてきたのでしょうか
佐藤氏「WEBプロモーションや自動お問い合わせ対応、社内ヘルプデスクなどに利用いただいています。業界を問わず多くの企業様に利用いただいています。社内ヘルプデスクでは年間約3000万円のコスト削減の実績があり、TBSテレビ様では社内ヘルプデスクとして当社のCAIWAを使用したキャラクター「AoI(あおい)かなえ」が”入社”しています。このように、キャラクターにチャットをしてもらうなど、画面も自由にできます」
–「CAIWA service for Medical*3」のように、業種特型のチャットボットを展開していかれるのでしょうか
岡出氏「いえ、特定の企業に特化していくことは現状考えていません。CAIWA service for Medicalは特殊で、医薬用語辞書をそのまま取り込んでいます。もちろん、今後もお客様や業界のニーズがあれば、その業界に適したサービスを提供はしていきますが、私たちとしては基本的に幅広く利用していただければと考えています」
–今後の展望を教えてください
佐藤氏「今後は、現在展開しているAIチャット検索CAIWA Service CoReDAをより強化してECサイトや各種予約サイトなど、データベース情報に対し、チャットボットを利用して簡単・直感的に対話調で情報を得られるようなサービスの展開をしていきたいと考えています。チャットボットが回答を出す際に足りない情報があれば、自動的に質問を作成し聞き返す仕組みもあるため、今後は色々なニーズにお応えできるチャットボットサービスを提供し、サービス業などの人手不足の解消や、提供サービスの充実、顧客満足度向上に貢献したいと考えています。」
会社概要
社名 | 株式会社イクシーズラボ |
所在地 | 〒135-0063 東京都江東区有明3-7-26有明フロンティアビルA棟 |
設立 | 2017年1月1日 |
代表者 | 代表取締役社長 菊池 淳 |
事業内容 | 1.人工知能システム・ロボット開発・製造・販売
2.ソフトウェアシステム受託開発 3.人工知能に関する各種技術の応用研究 |
URL | https://www.exiis-lab.com/ |