【芝本産業】https://www.shibamoto.com/
【Site Scan for ArcGIS】https://www.shibamoto.com/drone/sitescan
【大翔】https://sd-daisho.com/ict-i-construction/
そこで芝本産業と大翔は,ドローンのカメラを法面に正対させて自動飛行させられるアプリケーション”Site Scan for ArcGIS”を用いて,ICT法面工要求計測精度を満たすUAV測量ができるか,施工中法面現場で検証しました。同計測手法をICT法面工に役立てるため,本検証の結果を報告します。
現場検証概要
【検証日】2021年6月25日
【場所】滋賀県犬上郡多賀町 法面工事現場
(https://sd-daisho.com/category/r306_construction/)
【使用機材】Phantom 4 pro v02(ドローン)/ Site Scan for ArcGIS (アプリケーション)
【検証内容】Site Scanを用いたUAV自動計測精度が,ICT法面工に適応するか検証する。
計測概要
検証点(黄3-8, 3-9, 3-10),標定点(緑)とする対空標識を下記レイアウトで配置しました。
オフセット(対地高度)やラップ率などのパラメータによる計測精度の違いを検証するため,3パターンの計測を実施しました。
計測結果検証
すべての計測パターンで,ICT法面工で最も厳しい,法枠工出来形計測時の要求精度(10 mm以下)を満たす結果が得られました。同計測手法によって,ICT法面工に適応する3次元測量ができることが実証されました。
さらに,現場で実測した2点間距離の値を3次元点群データ上で計測した値と比較しました。点群データを使って十分に施工管理が行える精度であることがわかります。
現場実用(グラウンドアンカーマーキングの標高管理)
計測データの精度が実証できたので,3次元点群データ上でグラウンドアンカーのマーキングの標高をすべてチェックしました。以下はその抜粋です。トータルステーションを使ってマーキングした標高は,設計値通りであると3次元データ上の計測で確認できました。
検証結果まとめ
ドローンのカメラを斜面に正対させて自動飛行させることができる”Site Scan for ArcGIS”を使えば,ICT法面工要求精度をクリアするUAV測量が行えることが実証できました。今回の検証から,ICT法面工に適用できるUAV測量のポイントを以下にまとめます。
(1) ドローンフライトアプリケーション”Site Scan for ArcGIS”を使えば,ICT法面工に適応する精度で斜面正対(斜め撮影)自動飛行計測が行える。
(2) 対空標識は,データ解析(補正)時に中心点を見分けやすいマークのものを選ぶと,精度が向上する。標識は板状である必要はなく,ラミネートした紙などが持ち運びやすく便利である。また,反射防止のマット加工を行うと,白とびしにくい。
(3) 検証点は,標定点を結んだ外周の内側に設置することで計測精度が出る。
(4) 対空標識の中心点の座標取得は,ノンプリズム計測で十分な精度が出せる。
(5) 計測効率と精度の観点から最も効果的だったのは,オーバーラップ率85%,サイドラップ率65%,オフセット30 mの計測パターンだった。
(6) データ補正作業において,対空標識1枚当たり5枚の画像を使用した場合よりも,6~8枚で補正した場合のほうが,精度が向上した。
(7) 設置する対空標識の数を減らしても,補正時に対空標識と紐づける画像を増やすなどの工夫で,精度を向上させることができる。
今後の展望
今回の検証で,”Site Scan for ArcGIS”を用いたUAV測量手法の有効性が実証でき,ICT法面工に適応する手法の一つとして確立できました。引続き,吹付法枠工および簡易吹付法枠工の現場でも実証を行い,3次元点群データ上で法枠工などの出来形を計測した結果を報告する予定です。
芝本産業と大翔は,今後も法面工事分野において協働することで現場に密着したソリューションを提供し,より安全で効率的な法面工の実現を目指して参ります。
<株式会社 大翔>
滋賀県を拠点に法面工事を行う施工会社です。3次元測量を含む測量から設計,施工,施工管理までを自社で一貫して行える技術力によって,現場に最適な法面保護工事を施しております。樹木を伐採せずに環境と法面保護効果を両立させる特殊技術を持ちながら,積極的なICT活用や大学との共同研究等を進めるなど,これからも法面工事のイノベーションに向けた取り組みを続けて参ります。
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