ものづくり&まちづくりのBtoB情報サイト「Tech Note」を運営する株式会社イプロス(本社:東京都港区)は、『サーボ機構の基礎知識』の第3回を公開いたしました。第3回は、サーボ機構に必要なモータについて解説します(次回は、サーボ機構に必要なセンサについて解説予定)。本連載では、ファクトリーオートメーション・産業用ロボットの制御エンジニアに役立つ、サーボ機構の基礎を全8回にわたって解説します。

第3回:サーボ機構に必要なモータ

機構を動かすには、アクチュエータ(動力源)が必要です。現在、産業界でよく用いられているアクチュエータには、油圧式や空圧式などあります。それとは別に、精密な位置決めや搬送用として最も多く用いられているのが、電気を利用した電動式モータです。本稿では、サーボ機構に使われる電気モータを説明します。

【もくじ】
1.サーボ機構で使われているモータ
2.サーボ機構に強いステッピングモータ
3.サーボ機構に強いサーボモータ

1.サーボ機構で使われているモータ

モータは、外部からコイルに電流を流すことで、比較的容易に、回転力や推進力を得ることができる動力源です。サーボ機構で使われるモータには、サイズの小さいものから大きいものまで、また、パワーの小さいものから大きいものまで、多くの種類があります。

モータの分類には、さまざまな方法があります。ただし、サーボ機構の基本は、速度や位置などを制御することです。制御の観点でいうと、モータは入出力信号別に区分できます。入出力信号に注目した場合、直流モータ(DCモータ)、交流モータ(ACモータ)、ステッピングモータ(別称パルスモータ)の3つに分類されます。サーボモータは、直流、および交流の両者に対応しています(図1)。

図1:入出力信号別のモータの種類

例えば、メカニズム(からくり)によって低~中精度の位置決めを設計する場合、一般のDCモータやACモータなど、動力用のモータを利用してサーボ機構を構成することで動作を達成できます。しかし、メカニズムの位置や角度、姿勢などを、高精度・高速に指示したとおりに動かしたい場合、センサ無しのステッピングモータや、センサ有りのサーボモータなど、サーボ系のために作られたモータを選ぶ必要があります。

2. サーボ機構に強いステッピングモータ

ステッピングモータは、パルスモータとも呼ばれます。センサを利用せずに位置決めができるため、プリンタをはじめとする比較的小型の精密機器で多用されています。

コントローラから1パルス動けと指令が入ると、基本の回転角度を0.72度として、モータの軸が回転(ステップ動作)します。10パルスの指令が入ると7.2度、125パルスの指令が入ると90度モータ軸を回転させることができます(図2)。このように、入力パルス信号を与えるだけで、目的の位置まで回転・位置決めができるシステムをオープンループといいます。

図2:ステッピングモータの概要

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バックナンバー
第1回:サーボ機構とは
1.サーボ機構とは
2.サーボ機構の構成要素
3.サーボ機構の応用例
第2回:サーボ機構に必要なメカニズム
1.メカニズムとは
2.直進運動と回転運動を作る代表的なメカニズム
3.その他のメカニズム
第3回:サーボ機構に必要なモータ
1.サーボ機構で使われているモータ
2.サーボ機構に強いステッピングモータ
3.サーボ機構に強いサーボモータ

■現在公開中の『サーボ機構の基礎知識』一覧(2019年12月16日現在、第3回まで公開)
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著者プロフィール

株式会社プラチナリンク 代表取締役社長 西田 麻美(にしだ まみ)
電気通信大学大学院電気通信学研究科知能機械工学専攻博士後期課程修了。工学博士。
国内外の中小企業や大手企業に従事しながら、搬送用機械、印刷機械、電気機器、ロボットなど機械設計 ・ 開発 ・ 研究業務を一貫し、数々の機器 ・ 機械を約20年に渡って手がける。
現在は、大学教員として奉職する傍ら、2017年に株式会社プラチナリンクを設立(代表取締役)。メカトロニクス・ロボット教育および企業の技術指導を専門に人材育成コンサルティングを行う。自動化推進協会常任理事技術委員長、電気通信大学一般財団法人目黒会理事技術委員長などを歴任。 書籍・執筆多数(日刊工業新聞社)。メカトロニクス関係のTheビギニングシリーズは、「日本設計工学会武藤栄次賞Valuable Publishing賞(2013年)」、「関東工業教育協会著作賞(2019年)」などを受賞。日本包装機械工業会「業界発展功労賞(2017年)」、一般社団法人日本・アジア優秀企業家連盟アントレベンチャー賞受賞(2019年)など、メカトロ・システムインテグレーション教育活動で表彰される。

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株式会社イプロス について

日本最大級のBtoBデータベースサイト「イプロスものづくり」「イプロス都市まちづくり」「イプロス医薬食品技術」や、アジア向け製造業マッチングサイト「TECH DIRECTORY Asia」の企画・開発・運営を行っています。
※2019年11月5日(火)にサイト名の変更、サイトリニューアルをしています。
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