ロボットテクノロジーや情報通信技術を活用し、省力化や精密化を実現する
新たな農業である「スマート農業」。

スマート農業ときくと、ドローンによる肥料・水の散布やなどが思い浮かべる方も多いと思いますが、農業で大きな労力を必要とする作業には、広大な畑を耕す作業があることも忘れてはなりません。

そこで近年は、農業機械メーカー大手のヤンマーやクボタ、井関などによる自動運転機能を搭載した「ロボットトラクター」の研究・開発が盛んになっていることをご存じでしょうか?

ロボットトラクターは、作業員が近くで監視していれば運転席に乗ることなく無人で動かすことが可能なトラクターです。基本的な操作は、リモコンで操作を行い、発進させるとGPS機能を利用して位置情報を把握し、作業ルートを自動で進み、畑の端まで到達すると1人でにターンして再び畑を耕し始めます。

また、本来であれば畑を耕す際、ベテランの作業員であっても十数センチの誤差が生じますが、ロボットトラクターは数センチの誤差に抑えることが可能です。

少子高齢化や農家が現象する一方、広大な面積のケアを要する人手が欠かせない第一産業とされてきた農業。しかし、技術の進歩とともに実用化が進み、人海戦術を用いずとも生産効率・品質の向上が実現可能になりました。

ロボットトラクターの開発と今後の展望について、クボタ自動運転農機の開発担当者は、

「日本の農家は数が減り続け、同時に高齢化も進行しています。少ない人数で広い面積の農作業をこなす必要がありますが、熟練した技術を持つ人をなかなか新たに確保できない。そんな背景から、農作業に慣れない人でも使いこなせる農機への要望が以前から強かったんです」

「私たちクボタが目指しているのは、慣れていない人でも農作業ができ、安全で、かつ低コストで生産性も高い“高精度な次世代農業”。自動運転農機が製品化されれば、農業のさらなる効率化につながります。いまは大変な仕事といわれている農業ですが、IoTの活用によって農作業は機械が担い、人間は創造性を発揮する作業に専念する時代が遠からずやってくるでしょう」と語ります。


引用元: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/190723_19052.pdf

年々、スマート農業の市場規模は拡大を続けており、関連市場全体の2030年予測は、1074億円で2018年と比較して53.9%も増加すると予測(富士経済調べ)。

中でも栽培環境モニタリングシステム、農業用ロボットやドローンなどの市場が現在も伸び続けており、今後の普及率増加により、市場のさらなる拡大が期待されていると言えるでしょう。