大日本コンサルタント株式会社(代表取締役社長執行役員:新井 伸博、本社:東京都豊島区/以下、大日本コンサルタント)と株式会社日立システムズ(代表取締役 取締役社長:北野 昌宏、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)は、かねてから点検業務の効率化に向けた技術の社会実装に協業して取り組んできました。
 このたび、両社は国が実施する平成30年度のフィールド試行業務において技術を適用し、3案件、7橋脚に対して「点検記録作成支援ロボットを用いた3次元成果品納品マニュアル(橋梁編)(案) 平成30年3月 国土交通省」に基づく3次元成果品の作成まで可能であることが確認でき、点検記録作成支援ロボットの社会実装に向けて前進することができたことをお知らせいたします。

 全国には約70万の道路橋がありますが、昨今、老朽化が問題となっており、落橋などの事故を未然に防ぐことはもちろん、長寿命化対策の実施(予防保全)を課題として、平成25年の道路法などの一部改正に基づき、全国的に近接目視点検や措置を急いでいます。一方、近接目視点検においては、点検員や交通誘導員の量的不足、外業時の安全確保、膨大な内業などが顕在化しており、必要な点検精度の確保を条件として、それらの解決が強く望まれてきました。
 そこで、国土交通省は平成25年度に「次世代社会インフラ用ロボット現場検証委員会」を設置し、新たに開発されたロボット技術の現場導入に向けた取り組みとして、道路橋点検記録の作成支援を行うロボット技術を公募、検証および評価を実施してきました。昨年3月には、点検記録作成支援ロボットを用いて取得した橋梁点検記録の納品仕様を定めた「点検記録作成支援ロボットを用いた3次元成果品納品マニュアル(橋梁編)(案)」の作成に至りました。平成31年2月には、ロボット技術をはじめとした新技術の導入に一定の道筋を付ける「点検要領(技術的助言) 道路橋定期点検要領 平成31年2月」として点検要領が改定され、新技術導入の際の参考資料として位置付けられる「新技術利用の際のガイドライン(案) 平成31年2月」、「点検支援技術性能カタログ(案) 平成31年2月」もあわせて発出されています。

 こうした背景を踏まえ、建設コンサルタントの大日本コンサルタントとITサービス企業の日立システムズは、ドローンを活用した橋梁点検の分野で協業し、鋼橋・ロボットメーカーの川田テクノロジーズ株式会社(代表取締役社長:川田 忠裕、本社:富山県南砺市/以下、川田テクノロジーズ)とも連携して、点検業務の効率化に向けた技術の社会実装に取り組んできました。

 大日本コンサルタントは、川田テクノロジーズとともにNEDOの支援を受け、「複雑な風の変化に強い回転翼機構」「点検区域外に機体を逸脱させない第三者安全装置」「充実した操縦・画像撮影支援機能」などの特長を持つ橋梁点検用ドローン「マルコTM」を開発するなど、橋梁点検におけるドローンの活用に取り組んでいます。なお、「マルコTM」は、「点検支援技術性能カタログ(案) 平成31年2月」掲載技術です。

 また、日立システムズは、2016年9月に「ドローン運用統合管理サービス」の販売を開始して以降、ニーズに合わせてさまざまな機能を開発してきました。本サービスの特長的な機能である「3次元管理台帳機能」は、ドローンで撮影した大量の2次元画像(写真)と、それらから生成した構造物全体の3次元モデルを紐付ける機能で、点検結果や劣化箇所などについても3次元管理台帳上で管理可能です。
 今回、これらの技術を国が実施する平成30年度のフィールド試行業務において適用することで、点検記録作成支援ロボットの社会実装に向けて前進することができました。

 今後も、大日本コンサルタントと日立システムズは、川田テクノロジーズも含めた各社の技術を融合した点検サービスの提供を通じて、安心・安全な社会の実現に貢献するとともに、次年度以降のフィールド試行にも積極的に対応して技術を更新し、点検業務の課題解決に貢献していきます。

■協業イメージ図について

■「ドローン運用統合管理サービス」の出展情報

 日立システムズは、2019年3月13日から15日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「Japan Drone 2019(主催:一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(JUIDA))」に、「ドローン運用統合管理サービス」を出展します。
 詳細は https://www.hitachi-systems.com/seminar/2019/03/0315b.html をご覧ください。

■「ドローン運用統合管理サービス」について

 全国のサービス拠点やクラウド基盤を活用し、ドローンの操縦や撮影代行、撮影した画像の加工と分析、パブリッククラウドも活用したハイブリッドクラウド環境でのデータの保管・管理、さらには業務システムとのデータ連携を支援するサービスです。2017年11月にはドローンで撮影した2次元画像(写真)から構造物全体の3次元モデルをクラウド上で生成し、構造物の劣化箇所が全体のどこにあるかをひも付けて管理できる機能を強化しました。これにより、構造物管理時の紙図面から3次元モデルへの移行や、構造物点検時の目視から写真利用への移行などを実現し、点検・管理業務の効率向上やサービス品質の向上に貢献しています。
 詳細は https://www.hitachi-systems.com/solution/s0308/robo-d/index.html をご覧ください。

■大日本コンサルタントについて

 大日本コンサルタント株式会社は、道路や河川などの様々な社会資本整備において計画・設計から維持管理に至る一連の技術を通して、社会課題の解決に取り組む建設コンサルタント企業です。総合コンサルタントとして多分野にまたがる専門技術者を揃え、今回ご紹介した橋梁分野では、新技術の開発や、その社会実装において、先駆的かつ積極的に取り組んでおります。
 詳細は https://www.ne-con.co.jp/ をご覧ください。

■日立システムズについて

 株式会社日立システムズは、幅広い規模・業種システムの構築と、データセンター、ネットワークやセキュリティの運用・監視センター、コンタクトセンター、全国約300か所のサービス拠点などの多彩なサービスインフラを生かしたシステム運用・監視・保守が強みのITサービス企業です。多彩な「人財」と先進の情報技術を組み合わせた独自のサービスによってお客さまのデジタライゼーションに貢献し、新たな価値創造に共に取り組み、お客さまからすべてを任せていただけるグローバルサービスカンパニーをめざします。
 詳細は https://www.hitachi-systems.com/ をご覧ください。

■川田テクノロジーズについて

 川田テクノロジーズ株式会社は、グループ企業各社で、鋼製橋梁、コンクリート橋梁、建築鉄骨、一般建築・総合建築、システム建築、土木建設関連ソフトウェア、ヒューマノイドロボットの開発をはじめとしたロボット分野、航空機運航分野などに事業を展開しています。川田テクノロジーズ技術研究所はこれらの知見などをもとに研究開発活動を推進しています。
 詳細は https://www.kawada.jp/ をご覧ください。

■お客さまからのお問い合わせ先

 株式会社日立システムズ
 商品お問い合わせ窓口:TEL 0120-346-401(受付時間:9時~17時/土・日・祝日は除く)
 お問い合わせWebフォーム:https://www.hitachi-systems.com/form/contactus.html

以上
*記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。