「共生」とはどのような未来を描いているのか。
また、何を思い「共生」に力を入れているのか。
代表取締役の坂本さんにインタビューを試みた。
代表取締役 坂本 義弘
早稲田大学卒 博士(工学) 歴史が好き
ロボットを知り、人間を知っていく
坂本さんは、哲学からロボット業界に興味を持ち始めたそう。
哲学からどうやってロボットへ繋がったのか?
私も初めて聞いたときは驚きが隠せなかった。
大学生の頃、心とは何か、精神とは何か考えていた坂本さん。
人間は笑ったり泣いたり喜怒哀楽が存在するが、
実際に脳を見ると細胞の集まりでしかない。
では心はどこにあるのか?
ロボットはそれを解明するツールの一つなのだそう。
ブライテンベルクビークルというロボットをご存じだろうか?
ロボットに光を当てると、当てられたロボットは光を嫌がっているように見えるというもの。
しかしロボットの中では単純に、
光源に近いセンサーの方が車輪が速く回るため避けているように見えているだけなのだ。
このように、外からの分析と実際のメカニズムが異なるというのは、
人間にも当てはまるのではないだろうか。
人間の脳には電気信号で情報を伝達しているというが、
ロボットを通して人間の脳を解明していくことができるのかもしれない。
人間共存ロボットの開発への道
人間共存ロボットを作ることが大きな目標だという坂本さん。
人間と生活空間を共にし、人間の手助けをするような手先の器用な人型ロボット。
しかしそれを作るまでには険しい道が待っているそう。
まだまだ技術が追い付かない中、坂本さんはフェーズを決めて目標に近づけることにしたという。
産業用ロボットから始まり、協働ロボット、そして、次の見出しで取り上げている
力制御協働ロボットである「Torobo Arm」まで開発を進めた。
現在は画像認識の開発を進めており、着実に目標に向かって進んでいる。
研究を加速させる「Torobo Arm」
製造会社:東京ロボティクス株式会社
用途:研究用
H/W:600 mm/19 kg
特徴:柔らかい動きや安全な接触を可能とする「全軸トルクセンサ装備」
ロボットアーム、よく工場などで使用される機械だが
安全面を考えたときにどのようなことが思い浮かぶだろうか。
やはり硬く、接触してしまうと大事故につながる、そう考えた人も少なくないはずだ。
しかしこのロボットアーム「Torobo Arm」を見れば、そんな考えは覆るだろう。
柔らかな動きに加え、人に接触した際のゆるやかな停止。
これを可能にしているのは全軸に装備している
「トルクセンサ」と「インピーダンス制御」だ。
軸の回転力(トルク)を検知する「トルクセンサ」と
軸の柔らかさを変えられる「インピーダンス制御」。
これによりまるで関節にバネが入っているかのような動きを可能にしているのだ。
対象に対して柔らかい接触ができるこの「Torobo Arm」。
研究用にも関わらず実用面・安全面ともに高い性能が備わったロボットアームである。
~苦労した関節内の緻密な設計~
坂本さんに苦労した部分を伺うと関節内のセンサーや
プロセッサー・モーター等の小型化であったという。
0.5mm単位での設計のもと、様々な部品の小型化、
モーターはいちから組み立てて最適化させているというのだ。
この柔らかな関節の動きには、技術者の苦労やこだわりも一緒に詰められている。
ロボット開発の今後
みなさんもご存じの通り、ここ数年で人手不足が深刻化している。特に労働環境が過酷な業界が深刻なようだ。
やはり労働環境を改善していくにはロボットの導入が不可欠ではないかと思う。
ロボットの開発には膨大な時間と莫大な資金が必要だが、
国から助成金をもらうには複雑な手続きが必要なうえ必ずしももらえるとは限らない。
民間団体からの資金援助もベンチャー企業には行き渡っていないのが現状だ。
もっとロボット業界を盛り上げていくには、資金援助に対しても目を向けていく
必要があるのではないだろうか。
坂本さんはそんなロボット業界を盛り上げていくためにも、
一緒に働いてくれる人材を必要としているそう。
やはり第一はロボット好きであることだそうだ。
東京ロボティクスのメンバーの中には、個人でロボットを作ったり、
学生時代にロボットコンテストに出場していたりとロボット好きが集まっているとのこと。
そして、今後のロボット業界を担っていくためにも若い層を必要としているのだという。
これからは機械学習や画像認識も知識として持っているときっと活躍できるだろう。
この記事を読んでいるあなたも、もし一緒にロボット業界を盛り上げていきたいと感じたならば、飛び込んでみてはいかがだろうか?
これからのロボット開発にさらなる発展を期待して、今後もスポットライトを当てていきたいと思う。
会社概要
東京ロボティクス株式会社(TOKYO ROBOTICS INC.)
所在地 〒162-0801 東京都新宿区山吹町347 藤和江戸川橋ビル5階
代表取締役 坂本 義弘
URL:https://robotics.tokyo/ja/
E-mail:info@robotics.tokyo