IT技術が進展するにつれ、介護や物流、家庭用といったさまざまな業種で活躍が期待されている人工知能・ロボット。
しかし、生活レベルの向上や業務効率化への大きな可能性を秘める半面、コスト面や技術面などの課題を残しているのが現状です。そこで、トヨタ自動車株式会社と株式会社Preferred Networks (PFN)が、一般的な生活環境で人間の活動を支援するサービスロボットの早期実現を叶えるべく、共同開発を発表しました。
PFNは、2014年設立したばかりの企業で、巧みなAI・ロボット技術から、2018年に発表した「全自動お片付けロボットシステム」が話題に。具体的には、トヨタ自動車が2012年に開発した生活支援ロボット「Human Support Robot (HSR)」を数十台規模でPFNに貸し出し、今後3年間に渡って連携して研究開発を行うそうです。
動画URL https://www.youtube.com/watch?v=a7OHZQ5bZWs
両社は、今回の共同研究開発について以下のようにコメントしました。
トヨタの未来創生センター長の古賀伸彦は、
「トヨタは、2004年頃より『人々の生活を支え、共生する』をコンセプトに、主に身体の不自由な方や高齢の方を支援するパートナーロボットの開発に取り組み、2012年には生活支援ロボットとしての基本的なプラットフォームを有するHSRを開発しました。HSRはこれまで国内外13か国、49機関で研究開発に活用され、プラットフォームロボットとして高く評価していただいております。今後、よりお客様のニーズに応えるサービスロボット開発を目指すにあたり、世界トップレベルの知能化関連技術を有するPFNと、共同で研究開発を行えることを楽しみにしております」
また、PFN代表取締役社長の西川徹は、
「PFNは2014年の創業以来、深層学習技術を応用して自動車や産業用ロボットなどのハードウェアの知能化に取り組んでいます。CEATEC Japan 2018では、HSRに深層学習技術を応用し、不定形の物をつかむ/置く、動作計画を立てる、人の指示に対応するなど、全自動で部屋を片付けるロボットのデモンストレーションを行いました。HSRは優れたプラットフォームロボットであり、開発元のトヨタと共同開発に取り組むことで、ロボットが人の生活空間で働くために必要な機能の開発を加速させ、世界に先駆けてサービスロボットの実用化を目指します」
トヨタ自動車とPFN、両社が築き上げてきた技術や研究成果を共有することで、サービスロボット実用化への開発加速に期待が持てることでしょう。