ROBOT開発偉人伝


引用:ROBOGARAGE | ロボットクリエイター高橋智隆

名前:高橋智隆(たかはし ともたか)
生年月日:1975年3月27日
年齢: 44歳(2019年8月8日時点)
出身:滋賀県大津市

経歴

立命館高等学校→立命館大学産業社会学部・京都大学工学部を経て、株式会社ロボ・ガレージ代表取締役社長、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授に就任。

大学在学中から、足の裏に電磁石を使用した「2足歩行ザク」や機能を発展させた「マグダン」を開発し、
特許を取得。自身が開発した技術を用いた「ガンウォーカー」が模型メーカーの京商より商品化されるなど、学生時代から実績多数。

2003年には「ロボ・ガレージ」を創業。現在は、小型のコミュニケーションロボットがスマートフォンに代わる個人用情報端末になると考え、ロボットクリエイターとして、研究・設計・デザイン・開発を行っている。

受賞歴

・関西テクノアイデアコンテスト2001・2002グランプリ(2年連続)
・キャンパスベンチャーグランプリ OSAKAグランプリ
・NBK学生ベンチャー大賞
・米TIME誌「Coolest Inventions 2004」
・ロボカップ2004~2008 世界大会優勝(5年連続)
・リプトンひらめき IST AWARD 2008受賞
・ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」
・朝日21関西スクエア賞
・関西財界セミナー特別賞
・京都創造者賞
・「エボルタルマン」 ギネス世界記録認定
・「キロボ」 ギネス世界記録認定

ロボットクリエイターや東大特任准教授、代表取締役社長といった、マルチな肩書を持つ高橋さん。幼少の頃に読んだ「鉄腕アトム」をきっかけにロボットを作りたいと思い始めたそうです。

鉄腕アトムに憧れて…

鉄腕アトムにすっかり魅了された高橋さんは、ひとたび興味を持ったら熱中する性格でアトムのようなロボットを作りたい!と、幼少期からレゴブロックや画用紙を切り貼りしてロボットを作成。小学校高学年から高校までは、ラジコン・プラモデルの改造や当時流行っていたブラックバス釣り、ルアーの自作など、さまざまな経験を培った。

しかし、立命館大学へ進学後、就職活動を目前にバブルがはじけたことで、時代は就職氷河期へと激変。IT社会化が進行する中、メカ好きだがコンピュータは苦手だった高橋さんは、過去に熱中しガジェット・メカ要素を多く含む釣り具用品を扱うダイワ精工を目指した。

自作のリールを用意し、万全の体制で臨んだ面接はなんと不採用。家族には「ダイワ精工を落ちたら京大に行く!」と言っていたこともあり、猛勉強の末、京都大学に入学し、子供の頃の夢だったロボット開発を本格的に開始。

その後、たった1人でガンダムのプラモデルを2足歩行させることに成功し、そのまま特許を取得、ますますロボット開発にのめり込んでいった。他にも、関西テクノアイデアグランプリの受賞や模型メーカーの京商株式会社に技術力を買われ、自身の制作したロボットが商品化されるなど、鉄腕アトムに憧れて始めたロボット開発の努力が実り、学生時代から多くの輝かしい実績を残した。

ロボット開発を一貫して行う「ロボ・ガレージ」を創業


引用:ROBOGARAGE | ロボット紹介

大学卒業後と同時に「ロボ・ガレージ」を創業し、京都大学内入居ベンチャー第1号となる。現在も継続してロボット開発を行っており、ロボットの研究・設計・デザイン・制作をたった1人で行っているようだ。高橋さんの代表作には、ロボット電話「ロボホン」、ロボット宇宙飛行士「キロボ」、ディアゴスティーニ「週刊ロビ」などがあげられる。

こうしたロボット開発の成果は、日本のみにとどまらず、ロボカップ世界大会5年連続優勝や開発したロボットによる3つのギネス世界記録の樹立、ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」に選定されるなど、世界からの賞賛も止まない。

また、ロボットのデザインは親しみやすさがある「鉄腕アトム」のイメージからきているようだ。従来の二足歩行ロボットは、安定のために膝を曲げたまま歩行していたが、高橋さんの開発したロボットは膝を伸ばして歩行しており、より人間に近い動作をするのが特徴だ。

ロボットと共に生きる未来

ここ最近は、日々進化を続けるIT技術によって発明されたスマートスピーカーなどから「IoT」や「AI」が生活の一部として浸透し始めているといっても過言ではない。高橋さんも特に2019年は、次世代高速通信の「5G」がスタートすることで、ロボットとの会話に生じるタイムラグもほぼなくなり、人とロボットとの関係にも好影響を与える。

5Gなどの技術革新により、デザインや反応速度、使い勝手などが人間が使いたいと思う領域に達すれば、人とロボットの心の距離が近くなり、人間の扱うガジェットというよりも愛らしい動作をする相棒のような役割になるだろうと語る。

現在、製造業・接客業に用いられる産業用ロボットやサービスロボット、空の産業革命とも称されるドローンなど、さまざまな場面で活用されているロボット達。5G普及やIoT化の進行が進む中、映画のように人とロボットが共存する未来。2019年は、そんな未来にまた一歩近づく年になると言えるのではないだろうか?

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