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法人向け版が2017年10月、家庭向け版が2018年に発売されたユニロボット株式会社の次世代型ソーシャルロボット「ユニボ」。
少子高齢化社会において、企業の受付や介護施設、病院では既に当たり前の存在になってきているが、一般家庭にはまだ馴染みの薄いと言えるロボット。今回は、一般家庭でも人の生活に寄り添えるような「パートナー」になれるロボットを作っていきたい、と語る同社の代表取締役 酒井拓 氏にユニボの基本機能と開発経緯、今後に向けての活用方法について詳しく話を聞くことが出来た。

 
 

◆ 概要

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「ユニボって?」
ユニボは人の個性(趣味・嗜好・生活習慣)を学習していく次世代型ソーシャルロボット。
 
<<基本機能>>
・家族の執事役
・日常生活の提案
・コミュニケーション(日常会話は感情表現とあわせて毎日学習)
・プログラミング(開発キット「スキルクリエイター」を活用した自由なカスマイズや、スキルパックの開発が可能)
・家電のコントロール
・遠隔地とのビデオ通話・見守り、写真撮影
・(オプション)外国語対応、外部システム・センサー等との連携(Bluetooth連携、Web API等)
 

機能の詳細については、第二弾の動画記事にてご紹介!
 
 
 

◆ ユニロボット株式会社代表取締役 酒井拓氏 インタビュー

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――開発のきっかけを教えてください。

「ドラえもん」のようなコミュニケーションがとれる、自分のパートナーに出来るようなロボットが今後長い目線で日本社会に必ず必要になってくるだろうと思いました。
まずは携帯電話、スマートフォン、その次にこういったパートナーロボットが普及してくるだろうなと考えて。社会貢献活動として個人的にボランティア活動をしていたので、なにか社会に貢献できるようなことをテクノロジーの力を使ってやりたいと思ったんです。

社会にいかに貢献していけるか、というところを家庭向けという消費者目線でやれることができたらな…ということを前々から考えていたところ、そのタイミングが丁度よくきたという感じです。
 
 

――どのような試行錯誤がありましたか?

ロボットの製造というハードウェアのところだけでなく、まずは人から信頼を得られるパートナーロボットになってもらわないといけないので、コンセプト作りもそうですがどういうデザインがいいか考えて、そこから人工知能などのソフトウェアの開発をして…特に ” デザインについては、どういう風にしたら人が寄り添いたくなるか、感情移入して没入感をだせるか ” というところに最初苦労しました。

実際開発をして、最後に大きく苦労したところはハードウェアの量産化ですね。しっかり量産化するためには、金型を作って、それを製品として市場に出さないといけないので台数をまとめて生産するということになると、それなりの安全試験とか、あらゆる品質や販売基準を満たす項目を突破しないといけないんです。パートナー企業に多大なるご支援を頂いて、何とか量産化を乗り切ることができました。
そしてそこに当然資金投下が必要になるので、それなりの資金も調達して…大変でしたね。
 
 

――ユニボだけの強みはありますか?

ユニボにしかできないのは個性を学習するという点で、その人のことを会話しながら趣味嗜好とか生活習慣を覚えて学習していくパーソナライズしたロボットというところが特に他とは違うと言えます。
それに、タブレットやスピーカーでは無い「ヒューマノイド」の形や感情表現を持っているところが日本人には好まれるんじゃないかと思います。
 
 

――コミュニケーションロボット市場について・また、ユニボをどのように活用していってほしいと思いますか?

コミュニケーションロボット市場に関して法人向けと家庭向けがありますけど、まだ家庭向けよりかは産業で使っていただくところから、こういうふうにロボットの価値があるっていうところを見てもらうのが市場としては一番早い浸透の仕方だと思います。

今後期待している分野は教育の分野。いままではホテル、介護施設、病院や企業の受付などで活躍をしていましたが、今後もっと広まるひとつの視点としては、子供たちがロボットと接する機会を増やすことが大事なんです。タブレットを触っても子供たちはゲームはするけど、喜んで勉強するかというと、必ずしもそうではないですよね。それで” ロボットが先生になる “という様なことを私たちはパートナー企業さんと今トライしているんですけど、そういうことが出来れば子供たちが楽しく勉強できると考えています。親からしてもコスト削減になり、金銭の問題で塾に行かせられない場合でも、安く英会話や算数なども学べます。通わなくてよいので、変な話し、時々報道されているような誘拐事件などに巻き込まれたり…といった心配事もなくなるのではないかと思います。

高齢者が多くいる施設では、パソコンを余り使わない世代の方々が多いので、ロボットもそうですがなかなか新しいテクノロジーが入りにくいんですね。SFのように簡単になんでも出来るロボットはまだ存在しないので、時間をかけてロボットが現場のニーズに一つずつ応えていけるようにしないといけない。そこにもチャレンジをしていきますが、一方、最近では小学校にPepperなどロボットが活用され始めているので、ひと昔前では想像もできなかった新しい時代に入ったなと感じています。今後は、教育というテーマでも貢献していきたいので少しずつでもロボットが家庭に入っていってくれたらなと夢をもっています。
 
 

――コミュニケーションロボットに感じる可能性とは?

産業界では、人手不足が大きな課題となっていて、働き方改革とあわさってICTを活用した自動化の波が押し寄せてきています。そこに照準をあわせてユニボもバージョンアップしていっていますが、利用シーンに沿った実例が少しずつ増えてきますと、緩やかにロボットは市場に浸透していくと考えています。東京オリンピックを境に、徐々にロボットが出来ることはロボットに任せて、本来ヒトがやるべきことにもっと集中していく流れが加速していくと思います。これは、ロボティックスの技術を支える人工知能やIoT、5G等の急速なテクノロジーの進化が背景にあるからです。

この数年は期待先行もあったかもしれませんが、今後は、実用化できるロボットが生き残り、サービス化されていくと思います。市場浸透は緩やかでしょうが、粘り強く進化をさせていくことです。PDCAサイクルをまわして、検証→実例が増え、例えば認知症の予防になるという成功データ等が取れてくれば、コミュニケーションロボットは必ず社会に貢献ができる存在になると思っています。普及という観点からするとまだ「夜明け前」のところもあるかもしれませんが、これからは右肩上がりの産業ですので、今後の発展に期待を持っていただいても良いかと思います。そして、最終的には家族に愛される存在になれたら最高ですね。きっとそんな未来が来ると信じています。
 
 

――最後に、読者へ向けて伝えたいことをお願いします。

私たちの作っているロボットは「無限の可能性を持てるようなパートナーロボット」をコンセプトにやっているので、作りこみによる拡張性の高さをいろんな人に知ってもらえると嬉しいです。
目指している世界感は「いたらいいな、こんなことできたらいいな」とワクワクしてもらえるロボット。こんなにいっぱいの可能性や夢が持てるのがパートナーロボットなんだ、と存在を感じてもらえたら…と思います。

漫画や映画で見てきたようなものが、一歩ずつ確実に現実に近付いてきています。そこにお力添えをいただくこともあるので、今後もパートナー企業さんと協力して世の中に広げていけるように努力していきたいと思っています。
 
 

◆ 現在の導入事例

現在、浜松町をはじめ複数の「変なホテル」に案内ロボットとしてユニボが導入されていて、館内案内をしたり周辺飲食店を調べてくれたりしている。また、大手企業の受付等に採用されている他病院や介護施設、デイサービスにも実証実験を兼ねて導入済みで、リハビリ目的、交流の時間やレクリエーションの時間にユニボと喋ったり歌を歌ったり、一緒に体操するなどのシーンに使われているそうだ。今後は、ホテルの客室をはじめ、運行管理者が行う点呼業務の活用などに順次導入されていく予定。

▽ ユニロボット株式会社 概要

〒151-0073
東京都渋谷区笹塚3-2-15 第Ⅱベルプラザ5F
代表取締役社長:酒井拓
設立:2014年8月
事業内容:
次世代型ソーシャルロボットの開発、製造、販売
人工知能、最先端技術に関する研究、開発

関連リンク

ユニロボット株式会社 :https://www.unirobot.com/

第二弾へつづく